2021/12/21
※本記事は株式会社アクル(Akuru,Inc.)「KNOWLEDGE」掲載記事の転載です。
チャージバックが発生した加盟店から良く聞かれる質問の一つに「クレジットカードを不正利用しネット万引きした犯人を捕まえることはできるか?」というものがあります。もちろん警察にお願いをして捕まえてもらうという意味合いです。
他人のクレジットカードを使って、ネット万引きなんて許せないという怒りから、「なんとしても捕まえてやりたい!!」と、思いの強いお店の方からよく聞かれます。
果たして他人のクレジットカードを使ってネット万引き犯を捕まえることはできるのでしょうか?
答えは「できます」
その条件として、何よりまず、警察に動いてもらう必要があります。「この時間にここにいけば、犯人を捕まえることができる」という情報の提供が最低限必要です。
カード不正利用者を捕まえるため必要な情報とは?
■物を盗られた過去の証拠
- 過去の不正利用内容
- 合計金額、件数
- 注文者情報(氏名、住所、電話番号など)
■今まさに他人のクレジットカードを使って、物を盗ろうとしている証拠
- 注文者情報(氏名、住所、電話番号など)が過去の不正情報と一致、もしくは酷似しており同一犯人といえる
- カード会社の属性照会で氏名、住所などが異なり、第三者利用の疑いが強い、もしくはカード会社からの発送停止連絡がある
■受け取り日時、場所
- 犯人が荷物を受け取る予定の場所と日時
- 配送業者名
警察とのコミュニケーション
上記を揃えて110番に電話したら、すぐに警察が動いてくれるのかと言うと、必ずそうとは限りません。警察に動いてもらうには、事前準備が必要です。警察署によりますが、クレジットカード不正によるネット万引きについて、良く知らないというケースも多々あります。
そうなると、110番で連絡をしても、不正利用が起こって、どのようにお店が損失を被るのかを説明する必要が出てきます。担当によっては、カードが盗まれた本人からの相談でないと動かないという場合もあるようです。
カードを不正利用された人は、カード会社から支払い要請がなく、実被害がないため、警察に届けることなどありません。ですので、そのままでは悪人が世にはばかられてしまうことを辛抱強く説明するしかありません。
そのような事前の地ならしと、あなたのお店が既にこれだけの被害が出ていて、狙われているということを理解させないといけないのです。
そういったものが揃って初めて警察が迅速に動ける体制になるのです。
実際のお店で、窃盗事件が起きた時をイメージしてみてください。その時の手続きとそう変わりません。
例えば、自らが経営するリアル店舗で、夜中に窓を割られ侵入され商品を盗まれたとします。このような場合、すぐに警察に被害届けを出しますよね。被害を拡大させないためには、防犯カメラやアラームを設置するかもしれません。
そこまでした上で、防犯アラームが反応したら警察に連絡をするからその時は出動して逮捕して欲しいと、事前に警察に相談をするでしょう。リアルの店舗なら、たまに警察官に立ち寄ってもらうとか、警察官立寄所などを掲げるのも効果的かもしれません。
つまり、リアルの店舗と同様の防犯・不正対策が、ネットの店でも必要なのです。
2001年頃ですが、私の先輩がプレイステーションの販売サイト運営に携わっているときに、上記手続きを踏んだうえで、不正利用を繰り返す犯罪者を警察と一緒に捕まえたことがありました。
首謀者かつ実行犯だったようです。
犯人が商品を受け取る現場に警察と一緒に赴き、犯人逮捕の瞬間を目にしたという武勇伝で、私にとって、ヒーローの一人です。
彼は、空手の有段者でもあり山の達人でもありますが、フィジカルな強さではなく、捕まえたいという想いが重要ということでした。
こちらの内容は、どこかで改めて詳しくレポートできればと思います。