更新日|2025/12/12
EC事業者にとってサイトを運営する上で対策したい「カゴ落ち」。
この記事では
- カゴ落ちとはどういったものなのか
- カゴ落ちの原因
- カゴ落ちを減らすための対策
を解説します。
この記事の目次
カゴ落ちとは
カゴ落ちとはECサイトのショッピングカートに商品が入ったまま購入されず、ユーザーが途中で買い物を辞めてしまうことです。
ユーザーの気が変わってしまうのは仕方がない部分もありますが、EC事業者としては販売機会損失とも考えられ、CVR(購入率)を左右する要素といえます。
カゴ落ちするユーザーはどの程度いる?
米国企業Baymard Institute社の調査によると、ECサイトにおける平均的なカゴ落ち率は「70.19%」と報告されています。
つまり、10人が商品をカートに入れても、実際に購入まで至るのは3人程度にとどまる計算です。
特にアパレルや雑貨のように比較検討が多い商材ではカゴ落ち率が高い傾向があり、食品や日用品ではやや低めに推移しています。
高い割合でカゴ落ちが発生する前提を、把握しつつ対策を行うことが重要です。
カゴ落ちにより発生する販売機会損失を把握する
EC事業者としては、まず自社にとってカゴ落ちによる販売機会損失がどの程度なのかを把握しましょう。
カゴ落ち率は
カートに商品を入れたユーザー数 ー 実際に購入したユーザー数 = 買わずにサイトを離脱したユーザー数
買わずにサイトを離脱したユーザー数 ÷ カートに商品を入れたユーザー数 × 100 = カゴ落ち率
という2つの計算式で求められます。
たとえば、月間のカゴ落ち件数が1,000件で平均単価が5,000円の場合、500万円の潜在売上が失われている計算になります。
カゴ落ち率は7割以上あるとも言われており、わずかでも改善できれば売上拡大に直結します。
カゴ落ちするユーザーが出てしまう原因
カゴ落ちの原因は、ECサイトのさまざまな構造的問題や、運営面の課題が影響しているケースがあります。
ここではそれぞれのカゴ落ち原因がユーザーに与えている影響について解説します。
原因①:送料や手数料が高い
追加費用が購入直前に判明すると、ユーザーは心理的に購入をためらいやすくなります。特に決済画面で追加されると、ユーザーにとってネガティブな印象を持たれやすく、また金額設定がユーザに受け入れられないものだと、カゴ落ちの原因となります。
原因②:会員登録が必須になっている
個人情報の登録が面倒、個人情報を知らせたくないなどの理由で、会員登録が必須となるサイトではカゴ落ち率が高くなる傾向があります。
原因③:支払い方法が限定的
希望する決済手段が使えないと購入を諦めてしまいます。ECサイトでは、クレジットカード決済だけでなく、コンビニ払い、電子マネー、キャリア決済、後払い決済など、様々な決済方法を用意することで、カゴ落ちを防ぎ、購入率を高めることができます。
原因④:セキュリティへの不安
クレジットカード不正利用の被害が増加することに伴い、ユーザーはクレジットカード情報を入力するのをためらい、カゴ落ちが発生しやすくなります。
ユーザーは特に新規で購入するECサイトにおいて、URLがhttpsで始まっていない、会社概要・プライバシーポリシーが見当たらないなどキュリティ面が脆弱だとユーザが感じ取った場合は離脱しやすくなります。
原因⑤:サイトの表示速度が遅い
ページ遷移に時間がかかると、ストレスから離脱率が上昇します。
レプロ社が実施した2024年の調査によると、表示速度が「遅い」と感じWebサイトやアプリで買い物を諦めた経験があると答えた割合は67%と半数以上が離脱する調査結果がでています。
表示速度が遅い場合、アクセスすら期待できない致命的な問題になることを理解しなければいけません。
原因⑥:比較検討のための一時離脱
ユーザーが「とりあえずカートに入れて」他サイトと比較する行動もカゴ落ちの一因です。
原因⑦:疑問点をすぐ解消できない。サイト内検索が使いにくい。
欲しい情報にたどり着けず不安が残ると、ユーザーは購入を後回しにしたり他サイトへ移動してしまいます。
また検索したキーワード通りの商品が出てこない、カテゴリなどでソートできない、キーワード入力した際、関連キーワードが表示されないなど、サイト内検索が使いづらいと顧客ロイヤルティの低下を招き、カゴ落ちの一員となります。
原因⑧:配送日時の選択肢が少ない
受け取り可能な時間帯が限られていると、ユーザーの生活スタイルに合わず購入を断念しやすくなります。注文から発送まで時間がかかっていたり、依頼できる配送業者の数が少なかったりするなどの運営側の問題がある場合は、改善を検討しなければなりません。
原因⑨:決済の失敗
クレジットカード決済時のEMV3-Dセキュアの認証失敗、あるいは、オーソリ失敗による離脱もカゴ落ちの原因の1つといわれています。
カゴ落ちの対策
カゴ落ちの対策としては、
- 他サイトへの離脱前に確認メッセージを表示する
- 消費税や送料などの追加コストを早めに伝える
- 購入完了までの画面推移を減らす
- SSL証明書などで安全性を伝える
- Q&Aページやチャットボットを設置し疑問を解消する
- カゴ落ち後にレコメンドやリマインドメールを送る
などが挙げられます。
カートに商品を入れた後、利用者がどの段階でカゴ落ちしているかを把握した上で、対策を検討してみましょう。
1.他サイトへの離脱前に確認メッセージを表示する
1つ目は他サイトへの離脱前に確認メッセージを表示するという対策です。
ユーザーの中には単純にカートに商品が入っていることを忘れてしまう方もいます。
他サイトへ離脱する前に確認を行えば、カートに商品が入っていることを思い出してもらえます。
2.送料や手数料などの追加コストを早めに伝える
2つ目は消費税や送料などの追加コストを早めに伝えるという対策です。
購入を考えていたとしても、消費税や送料などの追加コストが想定以上にかかり、購入を中止してしまうケースがあります。
これに関しては、ユーザーが追加コストで戸惑わないよう、商品を検討する時点でお知らせすれば防げます。
3.購入完了までの画面推移を減らす
3つ目は購入完了までの画面推移を減らすという対策です。
ユーザーの中には手順が複雑だと途中でやめてしまう方もいます。
画面推移や入力項目を減らし、スムーズな購入ができるようにしましょう。
4.SSL証明書などでサイトの安全性を伝える
4つ目はSSL証明書などでサイトの安全性を伝えるという対策です。
購入を検討していても、途中で怪しいと感じたり個人情報を入力しても大丈夫かと不信感を抱いたりすれば購入をやめてしまう方もいます。
目につくところにSSL証明書を掲載、会社情報やプライバシーポリシーを明示するなど少しでもECサイトとしての安全性を伝えましょう。
5.Q&Aページやチャットボットを設置し疑問を解消する
5つ目はQ&Aページやチャットボットを設置し疑問を解消するという対策です。
例えば、返品時の対応やサイズ感、再入荷の有無、利用可能なクレジットカード会社の種類などECサイトを利用する上で疑問を持つユーザーもいるでしょう。その場合、途中で購入を辞めてしまう可能性が高まります。
そこでQ&Aページやチャットボットを設置しスムーズに疑問を解消できれば、カゴ落ちの対策につながります。
6.カゴ落ち後にレコメンドやリマインドメールを送る
ユーザー登録が済んでいる必要はありますが、カゴ落ち後にメールやメッセージを送るという方法もあります。
「あなたが過去に閲覧した商品」「お買い忘れではありませんか?」「カートに商品が残っています」といったタイトルで、購入手順の済んだところから再開できるリンクとともに送信することで再来訪・購入を狙うわけです。
また、ユーザー登録をしていない利用者にもこの施策を行えるよう、購入手続きの最初にメールアドレスだけ入力してもらい、あえて画面遷移して登録を済ませてしまう購入フローも用いられています。
7.不正利用対策を導入する
真正ユーザーがEMV3-Dセキュアで高リスク判定され認証が通らないことも、与信に問題がないユーザーがオーソリが通らないことも、不正利用が起こっていることでカード会社が閾値を厳格に運用することに起因します。
不正利用対策を導入し、不正利用犯が寄りつかないサイトにすることで改善します。
UI/UXへの意識がカゴ落ち対策に繋がる
カゴ落ち対策をする上でUI/UXへの意識はとても重要です。
- UI(ユーザーインターフェイス)とはWebサイトやアプリをPCやスマホ、タブレットで閲覧した情報そのもののこと
- UX(ユーザーエクスペリエンス)とは人がモノやサービスに触れて得られる体験や経験のこと
ですが、UI/UXと2つまとめてECサイトやアプリの使い勝手を指します。先ほどカゴ落ちの対策の1つとしてお伝えした「購入完了までの画面推移を減らす」というものも、UI/UXに含まれます。EC事業者の方は常に気にかけている部分ではないでしょうか。
しかし、実際にあるECサイトの中には
- 複数の認証方法をこなさないと決済できない
- 画像認証など手間のかかる入力項目がある
といったものもあります。こういったサイトでは、カゴ落ちが増える傾向にあります。
UI/UXの強化方法としては、
- どこでユーザーの離脱が起きているか確認する
- 一般ユーザーに利用してもらいフィードバックをもらう
などを行い、具体的な改善点を見つけることから始めましょう。
ECサイトのカゴ落ちに関するQ&A
カゴ落ちとは?
カゴ落ちとは、ECサイトで顧客が商品をカートに入れた後、購入手続きを完了せずにサイトを離脱してしまう現象のことです。別名「カート放棄」や「カート離脱」とも呼ばれます。
チェックアウト離脱とカゴ落ちの違いは?
チェックアウト離脱とカゴ落ちは、どちらもECサイトにおける購入機会の損失を指しますが、そのタイミングが異なります。カゴ落ちとは、商品をカートに入れたものの、チェックアウト(購入手続き)に進まずにサイトを離脱してしまう状態を指します。一方、チェックアウト離脱とは、チェックアウト画面まで進んだものの、購入を完了する前にサイトを離脱した状態のことを指します。
カゴ落ち対策はUX向上にもつながる!より使いやすいECサイトを目指そう
ご紹介した対策のいくつかは、ユーザーが疑問に思う点を事前に解決しておくことにつながっています。
つまりカゴ落ち対策は、サイトのわかりやすさや使いやすさ(UI/UX)と密接に関係があるのです。
UI/UXの強化方法としては、運営者ではなくユーザーの視点から使い勝手を判断することが必要です。
その上で、消費税や送料などの追加コストを早めに伝えたり、Q&Aページやチャットボットを設置し疑問を解消したりすればカゴ落ちを抑制できます。
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