決済サービスを切り替えるタイミングと選ぶポイント

2022/01/31

決済サービスを切り替えるタイミングと選ぶポイント

決済サービスは比較的長期で利用されることが多く、同じ決済サービスを数年利用している事業者様の中には導入当初の要件から、商品・サービス提供面や運用での要件や事業形態の変化につれ、機能、料金体系、セキュリティなどの面で新しい課題や要望が出てきたというケースもあるのではないでしょうか。

このコラムではオンライン決済サービス切り替えを検討している事業者様向けに、決済サービスの切り替えを検討すべき5つのタイミングと、切り替え先の選び方、切り替え時の注意点を解説します。

この記事の目次

ASPカートから移行してECサイトの規模を拡大したい

スタートアップを中心によく利用されるASPのカートサービスには決済サービスが付随していることがほとんどですが、決済手数料がそれぞれの事業者ごとに一律で、手数料の交渉はできないのが一般的です。そのため、EC事業の拡大に伴って売上が大きくなると、決済にかかるコストも比例して増えてしまう可能性があります。

現在ASPカート内の決済サービスを利用しており、今後フルスクラッチやオープンソース、パッケージ型のカートなどへの移行によってECサイトの規模拡大を検討している事業者であれば、契約内容に柔軟性があり、事業内容や売上金額などの条件をもとに個別に見積もりを提示する決済代行会社の決済サービスに切り替えるのがおすすめです。

決済コストを削減したい

自社ECサイトを構築したいスタートアップ企業やスモールビジネス向けの事業者をターゲットとして、月額固定費がなく決済手数料のみのシンプルな料金体系を採用している決済代行サービスもありますが、こちらも決済手数料が固定のため、売上に比例して決済コストが高くなってしまうおそれがあります。

個別見積もりを提示する決済代行会社は、事業者のサービス内容などをヒアリングして事業者ごとに最適な見積もりを提示するため、事業者側は手数料が一律な決済サービスを使い続ける場合に比べて中長期的に決済コストを削減できる可能性があります。

必要な決済手段や機能に対応していない

■希望の支払方法がなかった場合の消費者動向
希望の支払方法がなかった場合の消費者動向

ユーザーが求める決済手段に対応していないと、せっかくユーザーの購買意欲を高めることができても、購入段階で離脱を招いてしまい、ビジネスチャンスを逃しかねません。決済の選択肢を幅広く用意することで、このような機会損失を回避できます。

また、課金方式においては、

  • 「継続課金のビジネスモデルを展開したいが決済代行サービスが対応していない」
  • 「提供するサービスによって課金形態を変えたい」

といった希望がある場合は、柔軟な決済方法に対応できる決済代行サービスへの切り替えを検討すべきです。

システムの安定性やサポートに不安がある

システムやサポート面に懸念がある場合も切り替えを検討したいタイミングです。

売上に悪影響を与えるシステム障害の発生や、トラブル時のサポートなど、利用中の決済代行会社の運用面で不安を感じているなら、影響が大きくなる前に他の決済代行会社にも相談することをおすすめします。

また、導入当初は最適なシステム構成であっても、決済システムに求める機能やスペックは事業を進める中で変化するものです。決済サービスを導入した数年後に自社サイトのシステムと併せて決済システムを見直しするケースが多くなっています。

また、現行の決済サービスにおいて使い勝手の悪さやシステム・サポート面への不安を感じている場合は、その決済サービスがが本当に最適なのかどうか見直す時期かもしれません。

オムニチャネル展開したい

ECサイトでオンライン決済を導入済みで、かつ実店舗も持っており、今後オムニチャネル展開を検討している場合は、ECサイトと実店舗の決済データを統合して一括管理できる決済代行会社がおすすめです。

DGフィナンシャルテクノロジーの決済サービスについて詳しく知りたい方はこちら

決済手数料を含むコストが安くなるか

決済代行会社は複数あり、それぞれ費用や料金形態が異なるため、相見積もりを取って比較することをおすすめします。

切り替えを検討する際は、まず決済サービス事業者や決済代行会社に問い合わせしてサービス内容や見積もりの提案を受けることになります。なお、見積もりを取る際は、直近の年商・月商を用意しておくと、手数料率を相談する際にスムーズです。

見積もりを取ったら、初期費用や月額費用の確認を行います。月額費用はそれぞれ以下の計算式に当てはめて現在の決済コストと比較し、中長期的に費用対効果がありそうか検討しましょう

■決済代行サービスの月額費用のシミュレーション
決済代行サービスの月額費用のシミュレーション

また決済サービス自体の費用以外にも、決済サービスの切り替え時にかかるコストとして、自社ECサイトと決済サービスを連携するためのシステム開発が必要となります。基幹システムにも連携しているなどといった場合はその改修費用なども考慮しておく必要があります。決済代行会社からシステム仕様書を入手し、開発にどのくらいの工数やコストがかかるのか確認しましょう。

決済拡充性

インターネットで購入する際の決済方法(複数回答)

出典:総務省『令和2年版 情報通信白書|インターネットの利用状況』

  • 「自社の商材や顧客属性上、決済手段を追加したい」
  • 「柔軟な料金設定を実現するために、さまざまな課金方式を採用したい」

といった場合は、今後の市場ニーズの変化や事業拡大計画なども踏まえて、幅広く柔軟な決済方法に対応できるか確認しましょう

クレジットカードやコンビニ決済など定番の決済手段はもちろん、PayPay、Amazon Payなど新しい決済手段に対応しているかどうかをチェックしておくことが大切です。

越境ECを展開したいなら、中国で主要な決済手段であるAlipayや銀聯ネット決済、あるいは海外ユーザーの利用も可能なカード決済など、ビジネスを展開したい国でよく利用されている決済手段を、その決済代行会社が提供しているかどうか確認する必要があります。

さらに、継続課金を利用したいなら、

  • 「継続課金の課金スケジュールや金額を柔軟に設定できるか」
  • 「洗替機能があるか」

などもチェックしておきましょう。

セキュリティ・システムの安定性

カード不正利用被害の発生状況2021_12数値改訂版

出典:一般社団法人日本クレジット協会『クレジットカード不正利用被害の発生状況』

2020年はやや減少したものの、クレジットカード情報の盗用による不正利用被害はここ数年で増加傾向にあり、特にECサイト運営において決済システムのセキュリティ確保は重要な課題の一つです

クレジット取引セキュリティ対策協議会が公表しており、カード決済におけるセキュリティ対策の取り組みをまとめた「クレジットカード・セキュリティガイドライン」では、事業者がカード情報を自社環境に保有しない環境を構築することと、ECにおける不正利用を防ぐには複合的な対策を実施することが効果的とされています。決済代行会社を選ぶ際は、不正利用の具体的方策のバリエーションを幅広く提供しているかどうかも確認しましょう。

具体的な4つの不正利用対策

  • 本人認証(3Dセキュア、認証アシストなど):カード情報に加えて本人しか知り得ない情報や顧客情報などと照合して所有者本人であることを証明する。
  • 券面認証(セキュリティコード):カード情報に加えて、カード本体に記載されている3桁または4桁の数字も合わせて認証する方法。
  • 属性・行動分析(不正検知システム):過去の取引情報などに基づくリスク評価によって不正取引を判定する仕組み。
  • 配送先情報:不正配送先に該当する場合は事前に出荷を差し止める方法。

また、「クレジットカード・セキュリティガイドライン」では事業者様のサーバでクレジットカード情報を「保管」、「処理」、「通過」しない、いわゆる「クレジットカード情報の非保持化」が求められています。基本的には決済代行会社であれば非保持化に対応した決済サービスを提供していますが、事業者の運用に合ったECサイトと決済代行サービスの接続方式を提供しているかどうかがポイントになります。

例えば、ECサイトのデザイン性を決済画面でも変えたくないという場合は、JavaScript型(トークン型)と呼ばれるデータ転送型の接続方式がおすすめです。一方、大規模な開発は行いたくない、手軽に決済代行サービスを導入したいといった場合はリンク型と呼ばれる画面遷移型の接続方式がニーズに合致するでしょう。

さらに、PCI DSSやプライバシーマーク、ISMS認証などの各種セキュリティ基準への準拠や、不正検知システムの充実度などをチェックすることも有効といえます。

その他、高負荷時におけるサーバーのキャパシティや、万が一障害が発生した際の対応策を万全に整えているかなど、システムの安定性にも注目しましょう。

出典:クレジット取引セキュリティ対策協議会『クレジットカード・セキュリティガイドライン』

サポート体制

大手の決済代行会社には、さまざまな業種・業態のWebサイトでの導入や運用を行ってきたノウハウが蓄積されており、営業担当者が事業者のビジネスモデルに合った提案をしてくれることが期待できます。

開発中や稼働後も技術面、運用面に関する問合せ先が用意されていれば、質問やトラブルがあった際も安心です。

オムニチャネルに対応しているか

今後オムニチャネルを展開したい事業者は、ECと店舗、その他のチャネルなどの決済データを統合し、一元管理できる決済サービスを導入することが重要です。

複数のチャネルの決済データを一元管できる決済サービスであれば、チャネルをまたいだ決済が可能となり、顧客データも蓄積されるため効果的な販促にもつながります。データを統合管理することでECと実店舗それぞれにかかっていた管理の手間や、システム基本料などの決済コストが削減できる点もメリットです。

■オムニPAYのイメージ
オムニPayフロー図

DGフィナンシャルテクノロジー(DGFT、旧ベリトランス)では、既存のシステムにおける顧客情報とチャネルごとの決済情報を紐づけ一元管理することで、ECサイトや実店舗などさまざまなチャネルで垣根のない決済を可能にする決済サービス「オムニPAY」を提供しています。

DGフィナンシャルテクノロジーの決済サービスについて詳しく知りたい方はこちら

カード番号移行の検討

決済サービスを切り替える際、継続課金を行っている事業者であればクレジットカード情報の移行をするかどうか、つまり顧客のカード情報を次の決済代行会社に引継ぎ、顧客がカード情報を登録し直さなくても課金できるようにする対応が自社に必要かを判断することになります。ただし、このような移行処理に対応できるかどうかについては、現在契約している決済代行会社との契約内容等に準ずるため事前に確認する必要があります。

仕様書の言語対応

決済サービスを導入する際は、自社システムと連携するための開発が必要です。仕様書は、開発担当エンジニアが扱える言語(英語や中国語)で記述されているかなど、スムーズに作業できるかどうか確認しておきましょう

なお、DGフィナンシャルテクノロジー(DGFT、旧ベリトランス)では、英語のドキュメントを用意しているので、外国人エンジニアを抱える事業者や海外で開発を行っている事業者にも対応しています。

選定したカートシステムと決済代行サービスが連携しているか

パッケージやオープンソースのカートシステムでECサイトを構築する場合は、導入する決済サービスが連携しているか確認しましょう

DGフィナンシャルテクノロジー(DGFT、旧ベリトランス)では、『ecbeing』、『ebisumart』、『Orange EC』、『Commerce21』など国内で多数利用されているECパッケージに加え、導入数国内最大規模のオープンソースECパッケージ『EC-CUBE』など、50を超える各種ECパッケージにも決済サービスを搭載・連携しています。

DGフィナンシャルテクノロジー(DGFT、旧ベリトランス)では、30種類以上の豊富な決済手段と高いセキュリティ性を備えたマルチ決済サービス「VeriTrans4G」を提供しています。

都度課金だけでなく、会員IDを複数サービスで共用可能となるように共有ID化する機能や、洗替といった継続課金に対応する機能も充実。越境ECに対応する決済手段も取りそろえており、多様なビジネスモデルにも対応できる各種機能を備えています

オムニチャネル展開を希望する事業者様には、オムニチャネル化をスムーズにサポートする決済サービス「オムニPAY」を提供しているので、顧客はチャネルの壁を意識せずシームレス(継ぎ目のない)な購買体験が可能になります。

また、不正利用の具体的方策として、本人認証サービスを提供している他、不正検知サービスは5つのラインナップ(CAFIS Brain、ACI ReD SHIELD ®、O-PLUX、ASUKA、O-MOTION)から事業者様に最適なサービスをお選びいただくことが可能です。配送先情報を利用した不正利用防止対策やカードの属性確認の仕組みも用意しており、「クレジットカード・セキュリティガイドライン」で提示されている不正利用対策を網羅しています。

DGFTでは、事業者様の運用やニーズに対応できるよう、決済処理用プログラムを事業者様サーバに組み込み、決済画面のカスタマイズができるトークン型(JavaScript型)と、DGFTが提供する決済画面にリンクし、決済を完了させることでシステム開発の負荷を最小限に抑えるリンク型の2つの接続方式を用意。
リンク型の仕組みを利用したメールリンク決済サービスも提供しており、Webサイトがない事業者様でもメールのみでお客様に支払い案内が可能です。

ご提案は事業者様専任の営業担当が事業者様のニーズに合わせて柔軟に対応し、個別にお見積もりを提示。
サポート体制については、技術面や運用面の専用のお問い合わせ先をそれぞれご用意しているため安心してご相談いただけます。

      
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