更新日|2026/01/16
ユニファイドコマースは、利用者との複数の接点を結びつけて考える概念です。事業者がユニファイドコマースに取り組むことで、利用者の購買体験の向上や、事業者側の業務効率アップや収益機会の増加などが期待できます。
本コラムでは、ユニファイドコマースの考え方やメリットを紹介した上で、導入事例や導入する際に意識すべきポイントを解説します。
この記事の目次
ユニファイドコマースとは?
ユニファイドコマース(Unified Commerce)とは、「統合された商取引」を指します。利用者との接点(チャネル)には、ECサイトや実店舗、SNS、メールなどさまざまな種類がありますが、それらの施策やデータを別々に管理するのではなく、各チャネルの利用者データを統合し、一人ひとりのニーズをより正確に分析・把握して最適化された利用者マーケティングの実現を目指す考え方です。
ポイントは「表側(店舗・EC)だけでなく、裏側のオペレーションやデータ基盤まで統合する」こと。オムニチャネルの進化形として捉えられ、チャネル横断のデータ統合を実現することで、精度の高い個客マーケティングや在庫最適化を可能にします。
■オムニチャネルやOMOとの違い
オムニチャネルとは、実店舗やECサイトなどの複数のチャネルをシームレスにつなぐことで、利用者にとってストレスのないスムーズな体験を提供しつつ、同時にチャネル横断的に利用者にアプローチする手法を指します。統合手法やデリバリー(供給)体制とセットで語られることが多く、提供者である事業者目線のマーケティング戦略を指す用語です。
OMO(Online Merges with Offline)とは、オンラインとオフラインの境界を取り払い、テクノロジーによって利用者や周辺環境の状況までを細かく捕捉することで利用者体験を向上させるという、利用者視点でのマーケティングの概念を指します。
近年は、実店舗にいながら手元のスマートフォンで商品情報を検索したり、あるいは朝に自宅のPCで注文した商品を夕方に近所のコンビニで受け取ったりと、利用者にとってオンラインとオフラインの垣根が曖昧になりつつあります。そのような中、「OMO」はオンラインとオフラインを融合して利用者の購買体験を高めるという重要なコンセプトとして注目されているのです。
オムニチャネルとOMOは、いずれも利用者データを統合的に管理してオンラインとオフラインの垣根を取り払うことで、優れた利用者体験を提供することを目指す考え方です。
一方、ユニファイドコマースでは単に購買情報だけでなく、受注管理、在庫管理、利用者関係管理(CRM)、物流管理、決済管理などチャネルごとのバックエンドシステムを統合して提供体制を整えると同時に、より幅広いデータを収集して利用者ごとに最適化されたOne to Oneマーケティングを志向するという点が大きな特徴と言えます。
ユニファイドコマースのメリット
利用者満足度と売上の向上
バックエンドシステムの統合と統合されたデータを上手く活用すれば、「これまでの購買情報をもとに、利用者が興味がありそうな商品をアプリでレコメンドすることで、利用者にECサイトで商品を閲覧してもらう」ということも可能です。
その上で、利用者が実物を見て購入を検討したい場合は、
- 在庫がある店舗を提示して来店を促す
- 店舗ではアプリを提示してもらいECサイトで貯めたポイントを利用
- ECサイトの会員登録時に登録したクレジットカードで決済してもらう
といった横断的な購買体験も提供できます。
上質な利用者体験を提供できれば、売上アップやファン化によるリピートを促すことが可能です。近年EC化促進に注力しているファーストリテイリング社の資料によると、「店舗とECサイトの両販売チャネルを併用する利用者」は、「ECサイトのみ利用」あるいは「店舗のみ利用」の利用者と比較して、購入金額および回数ともに高い傾向にあるとされています。
出典:株式会社ファーストリテイリング『2019年8月期 期末決算資料「ECを本業に。」
業務効率化・システム管理コストの削減
顧客管理、在庫管理、物流管理、決済・入金管理など各業務や各チャネルで異なるシステムを使っていると、データを都度出力して連携する必要が生じるので手間がかかったり、入力ミスや確認漏れによるトラブルが発生しやすかったりするという問題があります。
また、使用しているシステムの数が多いほど、利用や保守・改修にかかる費用はかさみ、ベンダーへの問い合わせの手間も増えることも難点です。
ユニファイドコマースの取り組みによって各システムを統合すれば、業務効率化や管理コストの削減につながります。
経営判断の高速化
データが統合されていれば、ECサイトや実店舗などチャネルごとの利用者データではなく、各利用者のチャネル横断的な行動データを把握することが可能になり、全社的に売上を最大化する戦略の立案や、最適な在庫の確保などが可能になります。
チャネルごとにデータを抽出して突き合わせて分析するといった手間もないので、スピーディな経営判断が可能です。
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ユニファイドコマース導入のポイント
ユニファイドコマースで必要なのは、データの統合と、収集されたデータに基づく利用者ごとに最適化された提案です。利用者の行動・購買状況に応じて個別に商品やキャンペーンをおすすめする「パーソナライズドレコメンド」を事業者側が高いレベルで実現するには、データを統合的に収集・分析するためのシステム・人員などの体制整備だけでなく、利用者にとっての利便性や購買の面白さといった価値の追求も忘れてはなりません。
業務効率化やマーケティング戦略の最適化など事業者側のメリットだけでなく、利用者満足度の向上を意識した仕組みを構築するのが重要です。
① データ基盤の一元化
顧客ID、在庫、決済、受注、CRMなどの基盤を統合することが最重要。
② 顧客価値を起点にした設計
事業者側の効率化だけでなく、 「利用者がどの場面でストレスを感じているか?」を起点にする。
③ 店舗・EC・物流・決済など横断チームでの運用
ユニファイドコマースは“部門横断プロジェクト”で、 体験価値・データ管理・業務フローの再設計が必要になる。
シームレスな利用者体験を実現するオムニPAY
DGフィナンシャルテクノロジー(DGFT)では、利用者情報と決済情報を紐づけることで、ECサイトや実店舗など異なるチャネル間でスムーズな決済を実現するサービス「オムニPAY」を提供しています。シームレスな購買体験を提供できるので利用者の利便性アップと満足度向上につながるほか、利用者情報にEC・実店舗での購買情報を紐づけることが可能なため、効率的なマーケティングが可能となります。
また、グループ会社のDGビジネステクノロジーが提供する、パーソナライズ化を支援するECサイト向けレコメンドエンジン「NaviPlusレコメンド」をはじめ、デジタルガレージグループとしてECサイトのマーケティング支援も行っています。サービスの詳細についてはぜひお問い合わせください。
