2022/03/03
予約が発生するサービスを提供しているなら、事前決済機能の導入がおすすめです。事前決済に対応していれば、無断キャンセルの防止やオペレーションの効率化など、さまざまなメリットが期待できます。
自社に合う決済手段を導入するには、いくつか注意すべきポイントがあります。今回は、事前決済の魅力や、親和性の高いビジネス・業種、導入時のポイントや具体的なサービス例を紹介します。
この記事の目次
事前決済を導入するメリット
無断キャンセル(ノーショー)の抑止
事前に決済を完了しておけば、キャンセル率が低下し、さらには無断キャンセル(ノーショー)の抑止につながる効果が期待できます。
経済産業省の有識者勉強会(2018年11月)での資料によると、ノーショーが飲食業界全体に与えている損害は、年間で約2,000億円と言われています。さらに、通常の予約のうち、当日、1日前、2日前に生じるキャンセルも加えるとその発生率は6%強に達し、被害額は約1.6兆円にも及ぶと推計されています。
事前決済によりあらかじめ決済情報を取得しておけば、キャンセル料が発生した場合でも未回収リスクを軽減でき、損失を防ぐことが可能です。
出典:サービス産業の高付加価値化に向けた外部環境整備等に関する有識者勉強会(経済産業省)『No show(飲食店における無断キャンセル)対策レポート』
業務効率化・省力化
事前に決済が完了していれば、当日はサービスを提供するだけです。完全事前決済にすれば、レジや決済端末も置かなくて済む可能性もあります。現金の受け渡しも不要で、顧客の利便性もアップするでしょう。
DGフィナンシャルテクノロジー(DGFT、旧:ベリトランス)が提供する「PayNowID(ペイナウアイディー)」のように、顧客IDと事前決済で顧客が入力したクレジットカード情報を紐づける仕組みがあれば、会員登録時にカード情報を入力してもらうことで、会員登録後の決済時に顧客が再度カード情報を入力することなくスムーズに決済可能です。
■PayNowID(ペイナウアイディー)のイメージ
インバウンド需要の取り込み
海外ではホテルやレストランの代金は予約時に決済するスタイルが一般的です。特に旅行先では多額の現金やクレジットカード類を持ち歩くのはリスクがありますが、事前決済であればそのような必要はありません。事前決済の有無は顧客の安全性や心理的な安心感にも関わり、集客力に直結する要素といえます。
また、事前決済をしておけば、会計時に外国語でコミュニケーションをとる機会も減るため、事業者も顧客も安心です。
事前決済の導入が効果的なビジネス・業種
飲食店・レストラン
飲食店やレストランにおいて、事前決済はイートインでの業務効率化やノーショー防止に役立つのはもちろん、コロナ禍でニーズが急増したテイクアウトやフードデリバリーとも相性が良い方法です。
モバイルオーダーと組み合わせることで、レジ待ちの減少や単価アップにつながるだけでなく、顧客情報を取得・分析することでマーケティングや販促にも活用できます。
ホテル・宿泊施設
ホテル・宿泊施設においては、事前決済はフロント業務の効率化やキャンセル率の低下につながるほか、インバウンド需要への対応としても有効といえます。
事前決済と併せて、チェックインも宿泊前に完了するスマートチェックインを導入すれば、フロント業務のさらなる効率化と顧客の利便性向上が実現できるでしょう。
各種スクール・ジム
各種スクール・ジムは、継続顧客や単発顧客などさまざまな顧客を抱えるビジネスです。そのため、決済システムは1コマ単位のレッスン、体験や見学などの1回のみの予約・都度決済と、月額会員向けの継続課金に対応できるシステムが望ましいといえます。
また、さらに事前決済にも対応し、会員登録から決済まで一連の手続きがオンラインで完了すれば、フロント業務の手間を大幅に削減することが可能です。
各種用品や教材などのオプション追加費用も事前決済で取得した決済情報で引き落としができるようにすれば業務効率化に役立つだけでなく、顧客にとっても手間やストレスがなくなることで機会損失を防ぎ、単価アップにもつながる可能性があります。
アトラクション、レジャー施設
顧客にチケットを事前購入してもらい、当日はスマ―トフォンでチケットのバーコードを表示するだけで入園できるという仕組みを作れば、入園までの待ち時間を減らすことができ、顧客満足度向上につながります。
さらに、事前決済と併せて、入園後はチケットを購入した際のカード情報を利用し、園内の物販やフードの購入時にアプリをかざすだけで支払いができる仕組みを構築すれば、園内で顧客が財布を取り出すことなく便利かつスピーディーに支払いが完了できます。これにより、単価アップや購入頻度の増加も見込めるでしょう。
DGフィナンシャルテクノロジーの決済サービスについて詳しく知りたい方はこちら
事前決済を導入するときのポイント
決済方法の種類
事前決済は便利ですが、顧客が使いたい決済手段がなければ離脱要因になり得ます。機会損失を防ぐためには、オンラインで最も多く使われている決済手段であるクレジットカード決済は導入しておきたいところです。
また、幅広く決済手段を取り揃えることは顧客のニーズに対応する上でも欠かせないため、複数の決済手段を導入することをおすすめします。その際は、自社の顧客ニーズに合った決済手段を重点的に導入することが大切です。
なるべく幅広い決済手段に対応するのが望ましいものの、決済提供会社と個別に契約しようとすると、手続きや審査に手間がかかります。そこで、一つの契約で複数の決済手段をまとめて導入できる決済代行会社の利用がおすすめです。
決済方法だけでなく、業種やビジネスモデルによって必要な機能は異なるため、類似業種での導入実績があるかどうかも選定のポイントといえます。
■インターネットで購入する際の決済方法(複数回答)
出典:総務省『令和2年版 情報通信白書|インターネットの利用状況』
キャンセル時の対応
事前決済した予約がキャンセルになった場合、導入する決済手段がキャンセル・返金できるのかを確認しておいた方がよいでしょう。仮にシステム上でキャンセル・返金するのが不可能な場合、現金渡しや銀行振込などをしなければならず、かえって手間が発生してしまいます。
セキュリティ
事前決済はオンラインでの決済となるため、セキュリティの確保は必須です。特に、最も利用率の高いクレジットカード決済では、不正利用の増加が課題となっています。
不正利用およびチャージバックによる損失を防ぐためにも、契約する決済代行会社のセキュリティがしっかりしているかを確認しましょう。特に割賦販売法に基づき策定された「クレジットカード・セキュリティガイドライン」で提示されている、以下の不正利用対策を提供しているかどうかは重点的にチェックしておきたい項目です。
- 本人認証サービス(3Dセキュア):消費者に特定のパスワードを入力させることで本人確認を行う。
- 券面認証(セキュリティコード):券面の数字(3~4桁)を入力し、カードが真正であることを確認する。
- 不正検知システム(属性・行動分析):過去の取引情報等に基づくリスク評価によって不正取引を判定。自動的に不正取引を判定。
- 配送先情報:不正配送先情報の蓄積、提供によって商品等の配送を事前に停止する。
出典:クレジット取引セキュリティ対策協議会『クレジットカード・セキュリティガイドライン 【2.0 版】 』
キャンセルポリシーの規定
事前決済を導入していても、予約キャンセルは一定数発生するものです。そこで、損害を最小限に抑え、顧客とのトラブルを防止するためにも、キャンセル料の金額、キャンセル料発生のタイミング、返金方法などをキャンセルポリシーを明記しておく必要があります。
ただし、キャンセルによる損害を回避したいあまり、複雑なキャンセル規定を設定したり、予約直後からキャンセル料が発生する仕組みにしたり、さらにはキャンセル料を高額にしたりといった対策を講じると集客に影響しかねないため、顧客の利便性や安心感も考えて慎重に検討することが大切です。
ビジネスモデルに合わせた事前決済を実現するDGFTの決済サービス
DGフィナンシャルテクノロジーが提供する総合決済サービス「VeriTrans4G」はさまざまな業種・業態の事業者様に利用されており、サービス予約時の事前決済にも利用できます。また、前述しましたがVeriTrans4Gのクレジットカード決済のオプション機能である「PayNowID」を利用すれば、事前に会員登録、決済完了している顧客に対して、来店時当日に追加でお支払いいただく料金が発生した場合でも、会員登録時に登録しているカード情報を利用して決済が可能です。
また、VeriTrans4G以外にも事業者様の業態やニーズに応じて事前決済のシーンで利用できる以下のサービスもご用意しています。
利便性向上&無断キャンセル防止!オムニPAY
オムニPAYは、既存のシステムにおける顧客情報とチャネルごとの決済情報を紐づけて一元管理することで、ECサイトや実店舗間にて垣根なく決済を可能にする決済サービスです。
Webサイトにて予約する時点で決済まで完了でき、追加サービスを提供した場合でも予約時に入力したカード情報で決済を行えるため、来店時にクレジットカードの提示を受ける必要がありません。事業者と顧客双方の手間を削減できるだけでなく、予約時点でオーソリを実行するため、無断キャンセルの防止にもつながります。
Webサイトがなくても使える!メールリンク型決済
メールリンク型決済とは、顧客にメールやSNSで案内したURLまたはQRコードを通じて、簡単にオンラインで決済できるサービスです。Webサイトや予約システムがなくても、顧客の支払いの際、決済サービス提供会社の決済画面に遷移して決済を実施するため、事業者側はシステム開発の負担なく非対面決済を簡単かつスピーディに導入できます。
電話注文でも事前決済を導入可能!IVR決済ソリューション
IVR決済ソリューションは、電話注文の際にクレジットカード決済を希望する顧客がいた場合、自動音声に切り替え、顧客自身にクレジットカード情報を入力してもらうことで事前決済ができるサービスです。
交通機関のチケットや宿泊施設の予約、飲食店でのデリバリー注文など、電話で予約・注文の受付をしている場合も、設備投資不要で「クレジットカード・セキュリティガイドライン」で定めるカード情報の非保持化に完全対応したクレジットカード決済を導入できます。
また、IVR決済ソリューションでは、テレワーク環境でも利用可能です。NECパーソナルコンピュータのコールセンターでは、受電するオペレーターがカード情報を取り扱うことなくクレジットカード決済の受付が可能ですが、ここではDGFTのIVR決済ソリューションが活用されています。
DGFTでは、これらの事前決済に対応可能な決済サービスを提供しているため、事前決済を検討している事業者はぜひ一度お問合せください。