決済代行サービス比較の5つのポイント!ECサイトに最適な会社の選び方

2021/08/03

決済代行サービスの比較の方法

決済代行サービスは多くの会社が提供しており、導入検討の段階でどの決済代行会社が自社の事業に合っているかを見極めるのは簡単ではありません。

決済代行サービスを導入・選定する際に失敗しないための方法や比較のポイントを、これから導入する方だけでなく、すでに導入済みで乗り換えを検討中の方向けにもわかりやすく解説します。決済代行サービスの導入を検討する際には、参考にしていただければ幸いです。

この記事の目次

数ある決済代行サービスを比較する前に、まず整理しておきたいのが決済代行サービスを利用するメリットです。ここでは主なメリットを3つ紹介します。

1.1社との契約のみで豊富な決済手段をまとめて導入できる

決済代行会社を利用する場合

事業者は、決済代行サービス提供事業者1社と契約すれば、さまざまな決済手段をまとめて導入可能です。

決済代行会社を利用しない場合、導入したい決済手段を提供する会社それぞれと個別の契約を結ぶ必要があります。1社ごとに申込みや交渉、審査があるだけでなく、自社のECサイトと各社の決済システムを接続するために開発を要するので負担は少なくありません。

決済代行会社を利用すれば、これらの手間を大幅に削減しつつ、多くの決済方法をまとめて導入することが可能です。

2.売上・入金を一元的に管理できる

各決済手段の経理会計処理を一元的に管理できるのもメリットの一つです。

複数の決済サービス事業者と個別に契約する場合、各社の支払サイクルで入金され、管理ツールもバラバラになるので経理業務が煩雑になります。

しかし、決済代行サービスを利用すれば、複数の決済手段の入金サイクルが決済代行会社を通じて一元化されるため管理コストが大幅に削減できます。また、決済代行会社の管理画面で複数の決済手段をまとめて管理することが可能なため、処理上のミスの発生リスクを抑えることができます。

3.高度なセキュリティを確保できる

セキュリティ面でもメリットがあります。

クレジットカード情報の盗用による不正利用被害は年々増えており、特にECサイト運営において決済システムのセキュリティ確保は重要な課題の一つです。ただし、多様化・巧妙化するサイバー攻撃に対して、EC事業者が安全な環境を自前で整備するのはコスト的にも工数的にもハードルが高いのが実情です。

その点、大手の決済代行会社は強固なセキュリティ体制を整備・提供しており、安心して運用を任せることができます

■クレジットカード不正利用被害の発生状況
カード不正利用被害の発生状況

出典:一般社団法人日本クレジット協会『クレジットカード不正利用被害の発生状況』

決済代行会社を選定するときの流れ

決済代行会社を選定するときの流れ

決済代行会社を決定する際には大きく分けて3つのフローがあります。

  1. やりたいこと(制約条件)が実現できない決済代行会社を除外
  2. 残った決済代行会社から資料請求・見積もり依頼
  3. 見積もりを踏まえ、条件を満たす決済代行会社を選択

以下ではそれぞれの段階でのポイントを解説していきます。

まず、決済代行サービスの導入を通じてやりたいことが実現できそうかどうか、という「絶対に外せない条件」を整理しましょう。それが実現できないサービスを除外できれば決済代行会社の選定が簡単になるからです。

「絶対に外せない条件」の具体的な例は、以下の通りです。

制約条件の例

  1. 使用したいECカートシステムに対応しているか
  2. 自社サービスの課金形態に対応しているか(継続課金、従量課金など)
  3. 自社サイトを持っていないが決済を行いたい
  4. 決済代行会社からの入金は自社に適切な回数・タイミングで行われるか
  5. サイトオープンまでに導入が間に合うか

これらの対応の可否はWebサイト上だけでは確認できない場合もあるので、その場合は決済代行会社に問い合わせて確認する必要があります。

また、稼働中のサービスは最初に制約条件が顕在化していますが、新規のECサイトの場合、導入するECカートが決まっていないなど、決済代行サービスに求める条件が固まっていないことがあります。

一方、条件を整理する段階では導入後に生じる課題に気づいていない場合もあります。その場合、ご自身で整理する方法もありますが、決済代行会社に相談しながら整理するのも一つの方法といえます。

決済代行サービスを導入するのはECサイト?実店舗?

決済代行サービスを提供している会社は複数ありますが、それぞれ対応している決済手段やサービスの利便性に違いがあります。

そこで、決済代行サービスの導入を検討する際は、「決済サービスを導入するのがECサイトなのか、実店舗なのか、またはEC・実店舗双方持っているのか」あるいは、「BtoCなのかBtoBなのか」などを考慮し、自社のビジネスモデルに応じて最適な機能を提供している代行会社を選ぶことが大切です。

例えば、ECサイトに導入するなら、最も利用率の高いクレジットカード決済についてのセキュリティ対策をチェックする必要があります。具体的には、決済情報の非保持化・本人認証サービス・不正検知などの対策がしっかりしているかを確かめましょう。

また、BtoBなら、掛け払いでの請求・代金回収に対応できるかは注目したいポイントです。実店舗とECサイトを両方運営している事業者なら、決済システムがオムニチャネル施策にも対応しているかを確認しましょう。

制約条件でピックアップした後は項目ごとに比較

制約条件を満たす決済代行会社が複数あった場合、項目ごとに重要度を設定して決済代行会社を評価していくとよいでしょう。項目の例として、キャッシュフローの点では締日や入金回数などの「入金サイクル」、対応する「決済の種類」、連携しているサービスとの「親和性」、関連サービス等が挙げられます。これらのポイントは、導入後を見据えた重要度を設定することが大切です。

DGフィナンシャルテクノロジーの決済サービスについて詳しく知りたい方はこちら

冒頭でも触れましたが、決済代行サービスを提供している会社は多く、やりたいこと(制約条件)が決まっていても膨大な数の決済代行会社に対して、条件が揃っているかを逐一確認していくのはあまり現実的ではありません。そこで、検討する前に大手の決済代行会社数社に絞り込むことをおすすめします。その理由を決済代行会社を選ぶ際のポイントに沿って以下でご説明します。

セキュリティは万全か

ECサイトにおいてセキュリティを万全にしておくことは最も重要なポイントといえるでしょう。割賦販売法の改正に伴うセキュリティ面の対応は大手に限らず、決済代行会社なら基本的には対応を行っていますが、大手決済代行会社は導入している企業の社数や規模などの影響度を鑑みて、常に最新で最善のセキュリティを追求し、改善し続ける傾向があります。

さらにクレジットカード決済保護の国際基準「PCI DSS」を取得していることはもちろん、個人情報保護が適切に行われている証である「プライバシーマーク」、国際基準と同等のセキュリティマネジメント体制があるかどうかを示す「ISMS認証」などの各種セキュリティ基準に準拠している企業であるかどうかを決済代行会社のサイトでチェックすることをおすすめします。

決済システムの安定性(稼働率)

システムの稼働面については、決済システムの稼働率を重視すべきでしょう。システム障害が起きればECサイト内で決済を行うことができず、売上に直接影響が出ます。そういった障害を未然に防ぐため、大手の決済代行会社は高負荷時におけるサーバーのキャパシティや万が一障害が発生した際の対応策を万全に整えています。

導入時・導入後のサポートが充実しているか

決済代行サービスを導入の際、事業者の要件によっては簡単に実装できない場合もあります。

大手の決済代行会社には多くのWebサイトでの導入や運用をしてきたノウハウが蓄積されており、営業担当者が事業者のビジネスモデルに合った提案をしてくれることが期待できるでしょう。

また、大手の決済代行会社は社員数も多く、技術面、運用面でもサポートを手厚く行っている傾向があります。

これらのことから、トラブルが発生した際にも大手の決済代行会社を選んでおいた方が迅速に解決し、スムーズに導入できる可能性が高いといえます。

必要とする決済手段に対応しているか

消費者が求める支払方法に対応していない場合、ビジネスチャンスを逃してしまうことに直結します。そのため、自社のECサイトのターゲットを定めた上、ターゲットに適している決済手段を揃えている決済代行会社を選ぶことが必要です。

当社調査では、希望の支払方法がなかった場合半数以上の消費者が当該サイトでの購入をやめています。

■希望の支払方法がなかった場合の消費者動向
半数以上の消費者が購入をやめています

サイトを利用する消費者に決済の選択肢を多く与えることで「消費者の希望する支払方法が対応していなかったために、別のサイトで購入してしまった」といった機会損失を回避することができます。

また、サイトのオープン後に新たな決済手段を追加したい場合、希望する決済手段に対応していないいない決済代行会社と契約していると、決済サービスを提供している会社と新たに契約やシステム接続の手間が発生したり、別の決済代行会社へ切り替えを検討する必要が出てくるため、手間と工数が発生することになります。

■豊富な決済方法を用意している会社を選ぼう

決済代行会社を選ぶ際には事業の将来性を踏まえた上で、決済手段のラインナップを確認しておく必要があります。

よって、決済代行会社を選ぶ際は「決済手段の豊富さ」は一つの重要な指標になります。VISA、Mastercard、JCB、American Express、Diners Clubなどの主要なカードブランドに対応しているのはもちろん、コンビニ決済、銀行決済、キャリア決済といったオンラインにおける主要な決済に対応しているかどうかはチェックしておく必要があります。また、自社の顧客層やニーズに応じて後払い決済やID決済、Apple Pay、Google Payなどの決済手段も取り揃えているかを確認しておきましょう。

特に、ID決済は昨今近年新たなサービスが複数登場しているため、新たな決済手段に積極的に対応している決済代行会社であるかどうかはID決済の対応ラインナップを見れば分かりやすいでしょう。

費用・手数料|見積もり後に比較しよう

多くの決済代行会社は導入時における初期費用や決済手数料などのランニングコストはWeb上では非公開としている場合が多く、費用を確認するには見積もりが必要になります。

決済代行サービスの費用としては大きく3つに分けられます。(1)初期費用、(2)固定費用(月額費用)、(3)変動費用(決済手数料、決済処理費用)です。

費用には固定の費用もあれば、変動する費用(従量課金)がありますので、想定の売上(件数)でシミュレーションをして比較をすることがポイントです。もちろん、稼働中のサービスであれば前月や年間の過去の実績を利用することで、より精度が高いシミュレーションを行うことが可能となります。

■決済代行サービスの費用
(1) 初期費用 導入に必要な手続きや導入サポート、システム設定費用
(2) 固定費用 月額費用:決済代行サービスを利用するためのシステム費用
(3) 変動費用
  • 決済手数料:決済金額に対し、取扱い商材や流通額により定められた料率で発生する費用
  • 決済処理費用(トランザクション費用):決済1件当たりのデータ通信費用
■月々の決済に係る手数料のシミュレーション

月々の決済に係る手数料 = 月額費用 +(決済金額 × 想定決済件数×決済手数料)+(想定決済件数×決済処理費用 )

決済代行会社を選ぶ際の手順とポイントは、以下3点になります。

  1. まず自社のやりたいことが実現できそうな会社に絞る
  2. セキュリティや基本的なサービスが充実しており、運用のサポートも手厚い大手の決済代行会社を選んで見積もりをする
  3. 制約条件(絶対外せない条件)や発生する費用を確認し、自社サービスに本当に合った会社を選ぶ

DGフィナンシャルテクノロジー(DGFT、旧ベリトランス)は業界最多レベルの決済手段に対応しているほか、先述した、PCIDSSに準拠しています。また、ISO/IEC27001(情報セキュリティマネジメントシステム)やプライバシーマークの認定を受けており、事業者、消費者ともに安心してサービスを利用いただける環境を提供しています。

決済代行サービスは一度導入すると長く利用する可能性が高いサービスです。自社サービスにとって最良のものを選択して導入するようにしましょう。

公開日 2020/05/28、最終更新日 2021/08/03

      
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