2020/06/16
キャッシュレス決済と聞いて、実店舗におけるQRコード決済を想像する方が多いと思いますが、実は各キャッシュレス決済サービスはオンライン決済にも対応しています。
今回はキャッシュレス化が進んでいる背景を踏まえた上で、オンラインにキャッシュレス決済サービスを導入するメリットと導入方法についてご紹介します。
この記事の目次
この記事のポイント
多くの決済方法が登場している現在、ECサイトやアプリなど、オンラインでサービスを提供する事業者はどのように対応していけばよいのでしょうか。
本記事では、オンラインサービスへのキャッシュレス決済の導入について、下記3つのフローに分けて解説します。
- キャッシュレス決済が浸透してきた背景とオンライン決済への影響
- オンライン決済の種類の変化について
- 新しい決済方法に対応するには
キャッシュレス決済とは?
キャッシュレス決済とはクレジットカード決済をはじめとする、現金以外による決済全てのことを指します。オフライン決済でも急速にキャッシュレス決済が浸透する中、オンライン決済を取り巻く環境はどのように変化していくのでしょうか。
キャッシュレス決済の種類
オンライン決済における代表的なキャッシュレス決済手段は次の6つが挙げられます。
- クレジットカード決済
- デビットカード決済
- 電子マネー決済
- キャリア決済
- ID決済
- Apple Pay、Google Pay
総務省の調査によると、オンラインでの決済方法として、クレジットカードを選択する人は2016年に70%、2017年には73%に増加していることから、決済方法が多様化してきたとはいえ、オンライン決済ではクレジットカード決済が主に利用されていると言えます。
■インターネットで購入する際の決済方法(複数回答)
キャリア決済は携帯キャリア利用料金と合算してサービス料金を支払う決済手段です。クレジットカードを所有していない若年層の利用率が高いのが特徴です。
電子マネー決済は交通系ICカードや、カードレス化したモバイルアプリなどを利用した決済方法です。利用上限額が決まっているため、デジタルコンテンツ等の少額決済などに向いています。
ID決済は大手Webサービスのアカウントと銀行口座やクレジットカードを紐づけて決済する方法です。サービスIDとパスワードのみで簡単に支払いが完了できます。クレジットカード決済と合わせて導入することで利用者の増加が見込めます。
Apple PayとGoogle Payはそれぞれスマートフォン端末のOSに合わせた決済手段で、サービスIDに紐づいたクレジットカード情報を利用して決済が完了します。カード情報の入力の手間を省き、簡単、安全に支払いが可能です。
キャッシュレス決済以外の決済手段
オンラインで利用されるキャッシュレス決済以外の代表的な決済手段は以下の4つです。
- コンビニ決済
- 銀行決済
- 後払い決済
- 代引き
これらの決済はユーザーが商品やサービスを注文した後、コンビニや銀行口座、ATMなどからその料金を支払うという決済方法です。この4つの決済方法はオンライン上で支払方法を選択するものの、オフラインにて現金で支払われることが多いためキャッシュレス決済とは異なります。
世界のキャッシュレス事情
世界各国でもキャッシュレス化は進んでいます。キャッシュレス先進国ではキャッシュレス決済比率が40%~60%となっていますが、日本は18.4%となっています。
■各国のキャッシュレス決済比率の状況(2015)
海外でキャッシュレス決済が進展した理由はさまざまありますが、大きな理由としては、現金強奪などの犯罪対策と、偽札の流通による現金の信頼の低さが挙げられます。
中国ではAlipayやWeChat Payなどの決済方法が普及しており、スマホ1つで全ての決済ができる社会になっています。
欧米圏ではクレジットカード決済が普及しているほか、VISAが提供する「Visa payWave」(ビザペイウェーブ)や、Mastercardの「Mastercardコンタクトレス」(Mastercard PayPass)など、タッチ決済と呼ばれる非接触対応のカードを端末にかざして決済が完了する決済方法が普及しています。
このように国によって決済方法の違いこそありますが、今後も世界的にキャッシュレス化が進展していくでしょう。
DGフィナンシャルテクノロジーの決済サービスについて詳しく知りたい方はこちら
日本におけるキャッシュレスの事情
日本では「治安の良さ」や「現金に対する高い信頼」などの理由から現金による決済が主流でしたが、近年キャッシュレス化が急激に進みつつあります。
それにはPayPayやLINE Payといった新しい決済方法が登場し、大規模な還元キャンペーンなどを行ったことにより、若年層を中心に利用者が急増したことが背景にあります。
また、対象の店舗でキャッシュレス決済をした場合、決済金額の最大5%が消費者に還元される、キャッシュレス消費者還元事業が開始されました。キャッシュレス消費者還元事業では導入店舗への端末手数料や加盟店手数料の補助も盛り込まれています。このような政府のキャッシュレス化推進施策の後押しもあり、キャッシュレス決済導入店舗も急速に増えています。
日本のキャッシュレス決済比率について下記のコラムで詳しく解説しておりますのでこちらもご参照ください。
オンライン決済でキャッシュレス化が重要な理由
オフラインにおいてキャッシュレス化が進んでいますが、オンライン事業者も決して無関係ではありません。
現在オンライン決済においてはクレジットカードによる決済が主流ですが、今後は今まで後払いや代金引換を選択していた層だけでなく、クレジットカードで決済を行っていたユーザーもクレジットカード以外のキャッシュレス決済を選択するシーンが増えるでしょう。
なぜなら、オフラインでQRコード決済などの決済手段で支払いをするユーザーが増えると、決済サービス独自のポイント還元キャンペーンを実施していることもあり、オンライン決済でも同じ決済サービスで支払いたいというニーズが増えることが予想されるからです。
また、ECサイトでQRコードやID決済が導入されていれば、ユーザーはサービスのIDや暗証番号のみで決済が可能となり、クレジットカードを都度入力する手間が省け、利便性も高まります。
オンライン決済へのキャッシュレス決済の導入方法
多くの種類があるキャッシュレス決済を、オンラインで導入するにはどうすれば良いのでしょうか。
キャッシュレス決済を提供する会社と直接契約を行う方法と、決済代行会社を介して導入する方法の2つがありますが、当社がおすすめするのは決済代行会社と契約する方法です。
決済代行会社を利用するメリットと導入方法について以下で解説していきます。
決済代行会社経由で導入するメリット
決済代行会社を利用することで得られるメリットは、多様な決済手段を一度に導入可能なことです。
多様な決済手段を導入する際にそれぞれの会社と契約し、それらすべてとシステム接続をしていくのは非常に多くの工数がかかります。加えて、決済サービスの導入後も新たな決済手段を導入する度にに毎回契約・開発を行うのはあまりにも非効率です。
決済代行会社と契約すれば契約・開発を決済代行会社と行うだけでよく、導入にあたっての工数や手間を大幅に削減することができます。さらに、複数の決済手段の精算サイクルも一括で管理が可能です。
決済代行会社は堅牢なセキュリティ対策を行っているほか、随時システムのアップデートも行います。事業者はWebサイトのセキュリティ対策に多くの時間と資金の負担をかけることもなく、本業に集中することができます。
ECサイトに多様な決済方法を導入するメリットは顧客増加や購入機会の喪失防止による売上の向上です。ユーザーが利用しているキャッシュレス決済はさまざまです。それらに対応することで幅広い属性の顧客の購入機会を確保することにより、売上の増加が見込めます。
ユーザーは複数の決済方法を利用している場合も多くあります。そのため単に利用者が多いものを導入するだけでなく、多くの決済手段をカバーしておくことで、ユーザーの利便性アップにもつながるでしょう。
オンラインでキャッシュレス決済を導入する上での注意点
事業者によってどのようなサービスを提供しているかは大きく異なります。そのため、自社の業種や業態に比較的近いサービスに導入実績のある決済代行会社を検討すると、スムーズにサービスを開始できる可能性が高いといえます。
DGフィナンシャルテクノロジーの決済サービスについて詳しく知りたい方はこちら
まとめ
新しいキャッシュレス決済について、下記3つのポイントをご紹介してきました。
- 国からの支援もあり実店舗でキャッシュレス決済の利用者が急増
- オンライン決済は未だにクレジットカード決済が主流だが、新しい決済手段に対応することがおすすめ
- 新たなキャッシュレス決済手段を導入するには、決済代行会社を利用することで導入、運用時の手間や時間を削減できる
今後間違いなくオンライン決済にもオフラインでのキャッシュレス化は大きく影響します。オンラインサービスでもキャッシュレス決済に早めに対応することが今後のビジネス成功の鍵であると言えるでしょう。