事業規模別・決済代行選定ガイド:フェーズ毎のコストと優先順位

      

更新日|2026/02/13

オンライン決済の導入において、コスト構造の把握は収益性を左右する極めて重要なプロセスです。決済コストは単なる「手数料」だけでなく、初期費用、月額費用、決済手数料、振込手数料、早期入金手数料の5要素から成り立っています。

2028年度には市場規模が約63兆円に達すると予測される中、事業規模に適した決済基盤を選定できるかどうかが、EC事業の成否を分ける鍵となります。

オンライン決済コストを構成する「主な5つの要素」とは

決済代行サービスを利用する場合、主に以下の5つの費目がコスト構造を形成します。

  1. 初期費用 システム導入や事業者審査の手続きに伴い発生する一括費用です。導入するシステムの規模や接続方式にもよりますが、一般的に数万円〜程度が相場となります。
  2. 月額(システム)費用 決済システムの利用料として毎月発生する固定費です。~10万円程度と幅があり、サポート体制や機能の充実度に応じて変動します。
  3. 決済手数料 売上金額に対して課される従量課金です。クレジットカード決済の場合、売上金額の~3%台が一般的です。
  4. 振込手数料 売上金を自社口座に振り込む際に発生する費用です。金融機関の法人インターネットバンキング手数料を基準に、実費相当の「1回あたり300円〜600円程度」で設定されるのが標準的です。サービスによっては決済代行会社負担になる場合もあります。
  5. 早期入金手数料 通常のサイクルより早く売上金を受け取る際に追加で発生する費用です。キャッシュフローを重視する事業者にとっては重要な検討材料となります。※ご利用のサービスや契約プラン、入金オプションの選択状況によっては発生しない場合もあります。

これらの合計が収益に与える影響を事前に試算し、自社の取引規模に応じて最適化することが求められます。

事業フェーズによって、重視すべきコスト項目と選定の優先順位は異なります。

スタートアップ・小規模事業者(月商400万円未満)

このフェーズでは、「固定費の抑制」が最優先事項です。売上が不安定な時期は、初期費用や月額費用が無料、または低額なサービスを選び、決済手数料が多少高くても「売上が上がった分だけ支払う」構造にするのが健全です。

中規模事業者(月商400万〜2,000万円)

取引量の増加に伴い、「決済手数料率の削減」によるインパクトが大きくなります。この段階では、決済手数料の交渉が可能なパートナーを選び、ボリュームに応じたコスト最適化を検討すべきです。また、入金サイクルの柔軟性がキャッシュフローの安定に寄与します。

大規模事業者(月商2,000万円以上)

取引規模を背景にした「ボリュームディスカウント」の活用はもちろん、システムの拡張性とセキュリティが重要視されます。キャッシュレス決済額の8割以上を占めるクレジットカード決済の効率化に加え、専任担当者によるサポートやPCI DSS準拠への対応など、事業継続性を担保するための基盤選びが、結果としてトータルコストの抑制に繋がります。

区分の目安について 本記事では、決済手数料やプラン料金の「コスト効率」が変わるラインを基準に、事業規模を定義しています。

  • 月商300〜400万円前後: 手数料の損益分岐点(上位プランの方がお得になる境目)
  • 月商数千万円〜: 標準プランではなく、個別見積もりが適用され始めるライン

決済基盤の選定において、セキュリティ対策費用は「収益を生まない追加コスト」と捉えられがちです。しかし、法人経営の観点では、これらは「将来的な損失を最小化するためのリスク管理費」といえます。

  • 「非保持化」による準拠コストの削減 自社でクレジットカード情報を取り扱う場合、国際基準「PCI DSS」への完全準拠には膨大な設備投資と継続的な監査コストが伴います。しかし、カード情報を事業者のサーバーを通過・保持させない「非保持化」に対応した決済システムを採用することで、これらの直接的な準拠負担(人的・金銭的コスト)を劇的に軽減することが可能です。
  • 「3Dセキュア2.0」によるチャージバック被害の回避 本人認証サービス「3Dセキュア2.0」などの導入は、不正利用が発生した際の損失負担が事業者側からカード発行会社側へ移る(ライアビリティシフト)メリットがあり、直接的な返金リスクの回避に直結します。

セキュリティ対策を決済基盤の「標準機能」として活用することは、万が一の事故による巨額の賠償やブランド毀損を防ぎ、事業の継続性を担保するための、投資対効果の高い戦略と言えます。

決済基盤の最適化は、単なる料率の話にとどまらず、運用負荷の軽減(人的コストの削減)と表裏一体です。DGフィナンシャルテクノロジー(DGFT)の事例からその効果を見てみましょう。

  • 事例:日立グローバルライフソリューションズ株式会社 訪問先でのキャッシュレス決済を可能にしたことで、集金業務の効率化と未回収リスクの低減を同時に実現。現場の事務工数という「見えないコスト」の削減に成功しています。
  • 事例2:藤和那須リゾート株式会社様/サイバーウェーブ株式会社様 那須高原の「那須ハイランドパーク」等を運営する藤和那須リゾート様では、自社独自の予約・管理システム(ERP)と決済機能の連携が不可欠でした。 開発を担うサイバーウェーブ様と共に、VeriTrans4Gの高度なAPIを活用することで、複雑な自社システムとのシームレスな統合を実現。開発工数を抑えつつ、クレジットカード情報の非保持化などの高いセキュリティ要件をクリアし、結果として保守・運用を含めたトータルコストの最適化を達成しています。

オンライン決済のコスト最適化には、現在の取引規模だけでなく、将来の成長を見据えた視点が不可欠です。

  1. 決済コストを構成する5つの要素(初期・月額・手数料・振込・早期入金)を把握する
  2. 事業規模に応じて「固定費重視」か「変動費重視」かを選択する
  3. セキュリティ対策をリスク軽減のための投資として組み込む

決済基盤の選定においては、運用を簡素化・効率化できる機能が備わっているかどうかが、長期的なコストパフォーマンスを左右します。

DGフィナンシャルテクノロジーは、年間取扱高7.5兆円超の実績を持つ総合決済ソリューション「VeriTrans4G」を通じ、売上拡大に専念できる環境と、事業者さまの現在のフェーズや将来設計に合わせた「無駄のないコストプラン」をご提案いたします。

「現在の料率が適正かわからない」「成長を見越したシステム選びに迷っている」など、どのような課題でも構いません。事業者さまの利益最大化に向けたシミュレーションについて、まずはお気軽にご相談ください。

決済導入や見直しを検討されている事業者さまから、特によく寄せられるご質問をまとめました。

Q1. オンライン決済の「トータルコスト」はどのように算出するのが正解ですか?

A. 「固定費 + 変動費 + 運用コスト」の3軸で算出します。 目に見える手数料(決済手数料や月額費用)だけでなく、売上金の振込手数料や、不正利用を防ぐためのセキュリティ費用(3Dセキュア利用料など)を含めた試算が必要です。 さらに、見落としがちなのが「事務工数」です。入金消込作業や返金処理のしやすさなど、運用にかかる人的コストまで含めて比較することで、真のコストパフォーマンスが判断できます。

Q2. 「月額固定費が無料」のプランと、「手数料率が低い(月額有料)」プラン、どちらを選ぶべきですか?

A. 重要なのは、自社の月商規模から「損益分岐点」を算出することです。さらに、将来的な事業拡大を見据え、料率の交渉が可能なパートナーかどうかも検討すべき重要な要素となります。

一般的に、決済代行の料金体系は「固定費(月額費用)」と「変動費(手数料率)」のバランスで構成されます。どちらが有利かは、以下の視点で判断することをお勧めします。

月額無料プラン(手数料率が高め): 売上がまだ少ない、あるいは変動が激しい時期に適しています。固定費のリスクはありませんが、売れるたびに引かれる手数料(例:3.6%〜)が高く、売上が増えると利益を圧迫します。

月額有料プラン(手数料率が低い): 月額数千円〜数万円の固定費がかかりますが、その分、手数料率が低く(例:3.0%〜3.2%など)優遇されます。一般的に、「月商400万円」を超えたあたりから、月額費用を払ってでも低い手数料率の適用を受けた方が、トータルの決済コストを抑えることができます。

Q3. 入金サイクルを早めるとコストは変わりますか?

A. 早期入金オプションを利用する場合、別途手数料が発生するのが一般的です。通常は月1回〜2回の入金サイクルですが、キャッシュフローを重視して週次入金や早期入金を選択する場合、決済手数料とは別に数%程度のオプション手数料がかかることがあります。仕入れが先行する物販モデルなどでは、手数料を払ってでもキャッシュフローを安定させるメリットがあるか、資金繰り計画と照らして判断する必要があります。

             

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