リカーリングとは?サブスクとの違いやメリット・デメリット、必要な決済サービス

2021/05/13

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リカーリングとは、継続収益(リカーリングレベニュー)を得ることを目的としたビジネスモデルを指します。「リカーリング(Recurring)」という言葉は、「繰り返す」や「循環する」といった意味を持ち、商品・サービスを一度提供して終わりではなく、継続的に価値を提供することで、その対価として長期的な収益を目指す考え方です。

一般的に、ビジネスモデルはフロー型とストック型に大別されます。フロー型は多くの場合、継続性のない都度取引です。飲食店や小売店などが典型例ですが、従来のビジネスの大半はフロー型に分類されます。

一方、ストック型ビジネスは、顧客と一定期間にわたる契約を結び、商品・サービスを売り続ける仕組みを構築することで継続的な収入を得る仕組みです。例えば、会員制のジムや塾、電気・ガス、通信サービス、頒布会などが該当します。リカーリングは、このストック型ビジネスモデルの一つです。

リカーリングビジネスの元祖は剃刀メーカーの米ジレット社

リカーリングの先駆けとされているのは、アメリカの剃刀メーカーであるジレット(Gillette)社です。剃刀本体(レーザー)を無料で配布し、ユーザーに利益率の高い替刃を継続的に購入してもらうことで、安定した収益を獲得することに成功しました。

ひげ剃りという日常的な行為に着目し、自社の替刃を継続的に利用させる仕組みを実現したリカーリングビジネスの典型例です。

リカーリングもサブスクリプションもストック型のビジネスモデルです。どちらも継続収益の獲得を目的としている点では同じであり、違いが明確に定義されているわけではありません。一般的には、リカーリングは「従量課金制」、サブスクリプションは「定額制」というように区別される傾向があります。

リカーリングでは、顧客が機器本体を購入、あるいはプラットフォームと契約した上で、消耗品や従量制のサービスを追加で購入します。例えば、プリンター本体とトナーやインクなどの消耗品との組み合わせや、スマートフォンと通話・通信サービスのセット、ゲーム機本体とゲームソフト、電気・ガス・水道の基本料金部分と使用量に応じた従量課金部分といったものが該当します。

一方、サブスクリプションは、顧客が商品・サービスを一定期間利用する権利そのものを購入する仕組みで、契約を結べば利用期間内の料金は定額に設定されていることが一般的です。従量課金制のように利用の仕方に応じて月々の料金が変動するのではなく、サービスや機能、料金が異なる複数のプランが用意されています。

例えば、SpotifyやApple Musicといった定額制の音楽配信サービスや、HuluやNetflixといった動画配信サービスが代表的です。食品や衣料品などを継続的に届ける定期購入モデルもサブスクリプションビジネスに含まれます。

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ソニーはこれまでウォークマンなど数々のヒット商品を生み出してきた日本を代表する「ものづくり」企業でしたが、時代の変化とともに2000年代に入ってから業績が低迷。しかし近年、リカーリングビジネスに注力することで復活を遂げました。

その一つの例が人気家庭用ゲーム機「プレイステーション4」です。従来のようにゲーム機本体とゲームソフトを販売するだけでなく、特定のゲームタイトルの遊び放題やオンラインマルチプレイなどの特典を含む有料会員サービス「PlayStaiton Plus」の会員者数を増やすことで継続収益の獲得に成功しました。

また、犬型ロボット「aibo」についても、aibo本体の購入とあわせて月額利用料の発生する「aiboベーシックプラン」を用意。さらに、デジタル一眼レフカメラ「αシリーズ」では、多彩なラインナップの交換レンズ「Eマウントレンズ」によって継続的に収益を獲得できる仕組みを実現しました。

こうした取り組みは、まさに「モノ消費」から「コト消費」への転換といえます。この流れは「SaaS(ソフトウェアのサービス化)」や「MaaS(移動のサービス化)」に代表されるように、さまざまな業界で起こっている一つのトレンドです。

顧客と継続的な関係性を築ける

都度取引をメインとしたフロー型ビジネスの場合、一度購入してもらった後にリピーターになってもらうという二段階の施策が必要になります。一方、リカーリングビジネスは継続利用が前提のため、一度契約をしてもらえば、ユーザーの囲い込みがしやすいのが特徴です。

サービスを利用する上でベースとなる本体機器やプラットフォームをユーザーがすでに利用していることで、乗り換えしにくいという点も有利に働きます。また、当該商品・サービスをより便利に使ってもらうことを目的としたアップセル(顧客単価の向上)やクロスセル(関連商品の同時販売)が狙える点も事業者にとっては魅力的です。

顧客からの継続的な購入が見込める

事業計画を立てやすい

             

リカーリングビジネスでは、商品・サービスごとに細かく価格設定する必要がなく一定の売上を見込めるため、契約者数や会員数という指標を設定すれば比較的シンプルに売上予測を立てられます。

また、基本的に顧客は全て自社の会員であるため、売上データ以外にも属性情報をはじめとした幅広いデータを容易に蓄積することが可能です。そのデータがあれば今後のサービス改善や販売戦略の立案にも役立てることができ、事業計画の精度を高めることにもつながります。

売上の予測が立てやすい

リカーリングビジネスのデメリットとしては、顧客満足度が低いと顧客がすぐに解約・退会してしまい、なかなか損益分岐点に到達しないリスクがあることが挙げられます。継続率を高めるには、顧客の声を拾ってサービスを改善し続けなければなりません

提供する商品やサービスの品質はもちろん、WebサイトのUI・UX(ユーザーにとっての操作性・利便性)をはじめとするサービスの使い勝手を継続的に向上させることも重要です。

リカーリングやサブスクリプションといった継続収益を目的としたビジネスモデルを運用するには、定期的かつ確実に代金を回収するための決済システムが不可欠です。

継続課金システム

リカーリングやサブスクリプションと相性が良いのが継続課金システムです。「利用料金を毎月徴収する」、「一定の期間ごとに商品を販売する」といったビジネスモデルなら、継続課金システムを用いることで確実に代金を回収でき、なおかつ決済がスムーズなためユーザーの離脱を防げます

月ごとに利用料が異なったり、従量制で課金額に変動があったりするビジネスの場合は、課金額を柔軟に設定できる決済サービスを選ぶことが大切です。

顧客層・ビジネスモデルに適した決済手段

顧客層やビジネスモデルに適した決済手段を選ぶことも重要です。そもそも、顧客が求めている決済手段が使えなければ利用につながりません。また、ビジネスモデルに合わない決済手段であればユーザーと事業者側双方の利便性を損なうでしょう。

第一に導入すべきは、インターネット取引およびキャッシュレス決済において最も高い利用率を誇るクレジットカード決済です。一方、クレジットカードを持たない若年層や高齢者向けには、金融機関の口座があれば利用が可能なWeb口座振替が便利です。

また、デジタルコンテンツをはじめとする少額決済のビジネスには、キャリア決済やID決済も向いています

キャリア決済はクレジットカード情報や口座情報、個人情報を入力する必要はなく、各通信キャリアのIDや暗証番号を入力すれば決済処理が完了する仕組みです。

カード決済やWeb口座振替に比べ決済ステップが少なく、決済時の離脱率が減少することが期待されます。商品代金はキャリアに債権譲渡され、通信料金と合算して利用者に請求されるため、基本的に事業者が未回収のリスクを負うことがないのがメリットです。

DGフィナンシャルテクノロジー(DGFT、旧:ベリトランス)の提供するVeriTrans4Gは、リカーリングビジネスを成功に導くために不可欠な継続課金にも対応した決済サービスです。クレジットカードはもちろん、Web口座振替もDGフィナンシャルテクノロジーから導入できるため、クレジットカードに抵抗があるユーザーも安心して利用できます。

継続課金ではクレジットカード決済が一般的ですが、登録されたカードの有効期限切れによって決済に失敗し、そのまま離脱してしまうリスクもあります。そこでDGフィナンシャルテクノロジーでは、クレジットカード情報の自動更新(洗替)機能もご用意。決済のトラブルを防ぎ、継続率を高める仕組みを整えています。

また、前回の取引IDに紐づくクレジットカード情報を呼び出すことで、顧客がカード番号を入力しなくとも決済が完了する「再取引機能」も搭載。固定の会員IDでクレジットカード番号を管理することで、初回の決済以降もスムーズに継続課金できます。

さらに、会員IDを複数サービスで共用可能な共有ID化し、共有IDにクレジットカード番号を紐付けて管理が可能な「PayNowID(ペイナウアイディー)」を利用すれば、サービスごとに複数の課金グループを設定し課金スケジュールを登録でき、事業者様によるファイルアップロード等の処理がいらず運用が容易です。

DGフィナンシャルテクノロジーは継続課金に便利な機能をご提供し、事業者様のリカーリングビジネスを強力にサポートいたします。

■PayNowIDのイメージ
      
システム柔軟性vol.2

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