EC市場はまだ伸びる!市場規模や今後のトレンドと課題【2022年】

2022/06/22

EC市場はまだ伸びる!市場規模や今後のトレンドと課題【2022年】

日本のEC市場は年々拡大していますが、まだまだ伸びしろがあり、今後もさらなる成長が見込まれています。本コラムでは、日本国内および世界でのEC市場規模や今後のトレンドをご紹介します。また、個人情報漏えいやクレジットカードの不正利用といったECにおけるセキュリティ課題と対策についても解説します。

この記事の目次

「EC」とはElectoric Commerce(電子商取引)の略で、「eコマース」とも呼ばれます。広い意味での「EC」とはコンピューターを経由したネットワーク上での商取引全般であり、「EC市場」といった場合も一般的にはこちらを意味します。

一方、より狭い意味で使われる「EC」とはインターネット上で行われる商取引です。いわゆる「ECサイト」はこちらに該当します。

経済産業省の定義では、上記のいずれの場合でも受発注がオンラインで実施される場合は、配送・支払がオンライン・オフラインを問わず「EC」と解釈されます。

EC市場は、取引に関わる経済主体によって以下の3種類に分類されます。

  • BtoC-EC(消費者向け電子商取引):インターネット通販やインターネット経由のサービス契約など
  • BtoB-EC(企業間電子商取引):企業間または企業と政府(中央官庁および地方公共団体) 間で、EC を介して受発注を行った商品・サービスの取引。EDI(電子データ交換)も含む
  • CtoC-EC(消費者間電子商取引):フリマアプリ上の商取引など

EC市場は全体的に伸びていますが、業種や商材によってEC化率(※)には差があります。

※EC市場における取引金額÷それ以外のオフラインを含む全てのチャネルでの取引金額

家電や書籍、雑貨などではEC化率が高いものの、食品や化粧品、医薬品ではまだまだ実店舗などオフラインでの取引が大半を占めています。

出典:経済産業省『令和2年度 電子商取引に関する市場調査』

国内のEC市場は堅調に伸びています。特に、BtoCとCtoC分野の成長は著しく、スマートフォンの利用率の拡大は見逃すことはできません。ここでは分野別に国内のEC市場の動向を紹介します。

BtoC-EC市場の動向

2020年、日本国内におけるBtoC-EC(消費者向け電子商取引)の市場規模は19.3兆円で、これは前年の19.4兆円と比べて0.43%マイナスとほぼ横ばいでした。一方、個人消費に占める物販分野のEC化率は8.08%で、前年と比べて21.71%と大きく伸長しました。

■BtoC-EC市場規模および各分野の構成比率
2019年 2020年 伸び率
総計 19兆3,609億円 19兆2,779億円 ▲0.43%
物販系分野 10兆515億円
( EC化率 6.76% )
12兆2,333億円
( EC化率 8.08% )
21.71%
サービス系分野 7兆1,672億円 4兆5,832億円 ▲36.05%
デジタル系分野 2兆1,422億円 2兆4,614億円 14.90%

出典:経済産業省『令和2年度 電子商取引に関する市場調査』

物販の伸びについては、パソコンからだけでなくスマホからでも手軽にECサイトでの取引ができる環境が整ってきていることが要因のひとつと考えられます。

近年は物販やサービス系で、飲食サービスや旅行、チケット販売、理美容サービス、金融サービスなどがEC市場の成長をけん引してきましたが、2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で金融以外のサービス系分野が大きく落ち込みました。

サービスについては、例えば飲食業において従来の店舗による出前だけでなく、個人に配送を委託できる「Uber Eats」などの新しいプラットフォームが伸びていることも市場の成長を後押ししていましたが、こちらも2020年は伸び悩んでいるようです。経済産業省の調査では、2020年度からフードデリバリーサービス単体での推計が行われましたが、3,487億円と相当な市場規模であることがわかっています。

一方、物販系分野については巣ごもり需要の拡大を受けて、生活家電、食品、書籍、映像・音楽ソフト、雑貨などを中心に前年を大きく上回る伸び率で市場が拡大しています。

スマートフォン経由での利用が急速に拡大

EC市場では、近年スマートフォン経由の利用が急速に拡大しています。BtoC-EC市場の物販分野におけるスマートフォン経由の取引規模は6兆2,269億円と、前年に比べて1兆9,651億円と前年比46.1%の増加でした。BtoC-EC市場の物販分野の規模は12兆2,333億円で、スマートフォン経由での取引は、全体の50.9%に相当します。

■BtoC-EC(物販)におけるスマートフォン経由の市場規模
2020年の物販 BtoC-EC市場規模 …(A) 12兆2,333億円
うち、スマートフォン経由 …(B) 6兆2,269億円
スマートフォン比率(B)÷(A) 50.9%

出典:経済産業省『令和2年度 電子商取引に関する市場調査』

また、BtoC-EC市場の物販分野は前年比2兆1,818億円の増加でしたが、スマートフォン経由の利用額は先述の通り1兆9,651億円の増加だったため、市場全体の伸びとスマートフォン経由の伸びは一致している状況です。BtoC-EC市場において、パソコンからスマートフォンへの移行が市場の伸びを牽引しているといっても過言ではないでしょう。

物販分野において特にスマートフォン比率の高いカテゴリーは「衣類・服飾雑貨等」「書籍、映像・音楽ソフト」「化粧品、医薬品」「雑貨、家具、インテリア」と想定されます。

これは、女性や若年層といったファッション・アパレルに高い関心を持つ消費者層が、スマートフォンで買い物をする傾向が強いからだと考えられるでしょう。また、近年は高齢者のスマホ利用も急速に進んでおり、シニア層向けの分野は今後も成長の余地があると言えそうです。

近年ではブラウザからECサイトにアクセスするのではなく、それぞれのECサイトの提供するスマートフォンアプリを利用したより効果的な購買促進施策も普及しています。

今後のEC市場規模の予測

今後もeコマースの市場規模は拡大していくことが見込まれています。2020年に野村総合研究所が発表したレポート「ITナビゲーター2021年版」によると、2020年時点で約19兆円 だったBtoC-EC市場は、2026年に29.4兆円に成長するとの予測です。

また、ECやリアル店舗を含むオムニチャネルコマース市場についても、2019年の55兆円 から、2026年には80.9兆円に伸びることが予測されています。このことから、EC市場の拡大は、実店舗の需要がECへと単純に移行するわけではなく、実店舗とEC市場は両立しながら、消費が多様化していくということが見込まれています。

■日本におけるオムニチャネルコマース市場とB2C EC市場

出典:野村総合研究所『ITナビゲーター2021年版』

BtoB-EC市場の動向

2020年の日本国内におけるBtoB-ECの市場規模は344.9兆円で、前年の353兆円と比べて5.1%のマイナス成長でした。BtoC-ECと同様、新型コロナウイルス感染拡大による景気後退を受けての結果だと思われますが、「その他」の業種を除いたEC化率は33.5%で、前年と比べて1.8ポイントの増加と、引き続き伸長しています。

■BtoB-EC市場規模の推移

出典:経済産業省『令和2年度 電子商取引に関する市場調査』

2019年までは、食品や機械などの製造、建設、情報通信などを中心として全体的に拡大傾向にありましたが、2020年にBtoB EC市場規模が増加したのは小売、建設・不動産業、情報通信業などに限られています。

小売業は一般消費者向けにEC化が進んでいる状況ですが、企業間の取引である卸売業でもEC化が進んでおり、流通業全体でインターネット取引が活発になっていることがわかります。

CtoC-EC市場の動向

CtoC-EC(個人間のインターネット取引)市場も伸びていることがわかります。2018年のフリマアプリの市場規模は、推計値で6,392億円でした。これは2年前と比較して2倍以上の規模です。2012年にこういったサービスが初めて登場してから、わずか6年で急成長しました。

■フリマアプリの推定市場規模(単位:億円)

出典:経済産業省『平成30年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)』

また、2020年のCtoC-EC市場規模は推計で1兆9,586億円(前年比12.5%増)です。BtoC-EC市場と同様に、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛の影響で、物販系のEC利用が増えたことが市場伸長の要因と見られています。

CtoC-EC市場ではその約半数をアパレル商品が占めています。中古品が出回ることで、一部のブランドやメーカーは影響を受けているという指摘もありますが、国内における同カテゴリーのBtoC-EC市場の規模は2兆2,203億円と前年から19.44%と伸びており、堅調に推移している状況です。

このことから、CtoC市場は今後も成長が見込まれると考えられていますが、現状ではBtoC市場を侵食しているというようなネガティブな動向は見られないと言えるでしょう。むしろ、中古(二次市場)の流通量が増えることで、新品(一次市場)が活性化することが期待されています。

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日本のeコマース市場は拡大傾向ですが、世界と比べるとどのような傾向があるのでしょうか。ここでは、日本と世界のeコマース市場の比較と、越境ECの動向について解説します。

世界のEC市場は日本国内よりも拡大傾向が強い

世界のeコマース市場は、日本国内よりもさらに成長傾向にあります。2020年の世界におけるECの推計市場規模は4.28兆米ドル(約453兆円)、EC化率は18%でした。これは対前年比27.7%もの成長率で、2024年には市場規模は6.39兆米ドル、EC化率は21.8%まで成長すると見込まれています。ECの市場規模を国別に見ると、中国が2兆2,970米ドルと突出しています。次いでアメリカ、イギリス、そして日本という順番です。中国のEC化率は30%に達していると試算されています。

2018年のデータを見ると、世界の小売市場に占める中国の割合は22%でこれは米国とそれほど変わりません。しかし、EC市場全体に占める中国の割合は約52%で、2位のアメリカの3倍近くもの規模になっています。

■世界の小売市場・EC 市場における地域別および主要国が占める割合(2018年)

出典:経済産業省『平成30年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)』

越境ECが活況。日本は対中国取引が重要に

世界では越境EC市場が活況で、日本は特に対中国取引が重要な位置を占めています。2019年世界における越境EC市場の規模は7,800億米ドルでした。今後も急成長が見込まれ、2026年には4兆8,200億米ドルに上ると予測されています。

越境ECの購入先は、世界的に見て中国が多く、特にアメリカやヨーロッパでは、中国からの購入率が高いと見られています。

日本の越境BtoC-EC取引における主要相手国はアメリカと中国で、アメリカからの購入額は3,076億円、中国からの購入額は340億円となっており、これらを合計すると市場規模は3,416億円に上ります。米国の越境BtoC-EC取引における日本からの購入額は9,727億円で、中国の越境BtoC-EC取引における日本からの購入額は1兆9,499億円です。

日本、アメリカ、中国の3国間の取引規模は非常に大きく、特に中国との取引金額が急成長しているということがわかります。

■越境EC市場規模(2020年)

出典:経済産業省『令和2年度 電子商取引に関する市場調査』

国内EC市場のシェアはAmazon・楽天が圧倒的

国内EC市場では、Amazonと楽天のシェアが圧倒的です。2018年のネット通販売上ランキングのトップはAmazonで約1.5兆円でした(2019年は1.7兆円と推計)。楽天は提供するECサービス全体の流通総額が2020年には5兆円を突破しています。

出典:楽天グループ株式会社『2021年度決算短信・説明会資料』

ネット通販で売上が上位の分野はモール系、BtoB系、家電系、アパレル系が占めており、特に成長率が大きいのがアパレル系です。アパレルは実店舗中心だった従来からECの普及、そしてオムニチャネル化が進んでいることが背景にあると考えられます。

国内EC市場の動向を海外と比較すると、2015年時点で世界のEC市場のうち、中国のアリババが26.6%、アメリカのAmazonが13%、同じくアメリカのeBayが4.5%、中国のJD.comが3.8%を占め、楽天は1.5%です。

また、2018年の調査によると、世界41カ国を対象とした越境ECの企業ブランド別シェアは、Amazon(23%)、Alibaba/AliExpress(16%)、eBay(14%)と続きます。

■越境ECを行う場合の購入先事業者(世界31市場対象)

出典:経済産業省『平成30年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)』

国内においてはeコマース市場が急成長しており、さまざまな事業モデルが現れていますが、そのなかでもいくつかのトレンドが見られます。ここでは3つの傾向について紹介します。

より顧客のニーズに合わせた価値の提供(パーソナライゼーション)

日本を含む10カ国でインターネットと実店舗における価格を比較した調査によると、日本では45%が「ネットのほうが安い」という結果でした。これはアメリカの22%、中国の6%と比較して圧倒的に高い割合です。

つまり、日本国内では実店舗とECサイトの間、あるいは、ECサイト同士で激しい価格競争が起こっていることが推測されます。

今はインターネットやスマホが普及し、消費者はいつでもどこでもECサイトにアクセスして、価格や商品情報を比較できる世の中です。そのような環境で、メーカーや販売業者が価格競争を続けても疲弊してしまうでしょう。そこで生き残るためには、競合との差別化を図り、消費者に対して独自の付加価値を訴求する戦略が重要になりつつあるのです。

例えば、大手ECサイトでは、ユーザー個人の属性、行動履歴、導線、アイテム属性といったデータを反映して最適なコンテンツをレコメンドしたり、丁寧なアフターフォローを提供したりしています。こういった顧客満足度の向上や囲い込みの強化につながる施策は不可欠です。

オムニチャネル化による実店舗とのシナジー強化

現在は、eコマースへの移行が進み、スマートフォンが普及したことで消費者の購買行動が変化しています。このような市場環境のなか、実店舗のみ、ECのみといったシングルチャネルでのマーケティングには限界があるでしょう。また、マルチチャネル展開していても、実店舗とECといった各チャネルの戦略を個別に実行するやり方では、顧客のニーズに対応できない可能性があります。

そこで、オムニチャネル化によって、実店舗とECとのシナジー効果を発揮する取り組みが重要となります。オムニチャネルとは、顧客との接点である実店舗やECサイト、アプリ、SNSといった複数のチャネルをシームレスに繋げ、顧客満足度を向上させるスキームを指します。各チャネルを適切に連携させることで、ネットからリアル、リアルからネットといった集客も可能で、相乗効果も生まれやすいでしょう。

オムニチャネル化を推進するには、顧客データや購買行動をチャネル横断的に一元管理することが欠かせません。実店舗・EC・アプリなどの顧客アカウントを統合することで消費者の利便性が向上し、事業者は管理コストが下がるなど、双方にメリットが生まれるのです。

近年はECサイト利用の拡大や新型コロナウイルスの影響を受けて、オンライン接客が普及したことにより実店舗がショールーム化するなど、従来のチャネルごとの施策のあり方も変わってきています。

D2C(Direct to Consumer)

D2C(Direct to Consumer)とは、メーカーが外部モールを通さず、自社ECサイトで直接消費者に製品を販売するモデルを指します。

先述のように、現在のeコマース市場はAmazonや楽天などのシェアが圧倒的であるため、メーカーとしてはこういったモールへの出店は魅力的です。一方で、モール内には競合製品もあるため自社が埋没してしまうリスクや、モールと自社間での販売ポリシーの不一致、コスト負担といった課題もあります。

そうした課題がありながら、シェアを順調に伸ばし続ける巨大モールに危機感を感じたメーカー側が注目しているのがD2Cです。自社での直販なら、販売方法を完全にコントロールできますし、近年はSNSやオウンドメディアによるマーケティングも普及しており、消費者とコミュニケーションが取りやすくなっています。

さらには、小・中規模事業者であっても、自社でのECサイト構築や、決済システム導入がしやすい環境が整っていることも、D2Cが広まっている背景として挙げられるでしょう。

サブスクリプションサービス

ここ数年はサブスクリプションサービスが急速に伸びており、今後も高い成長が見込まれています。

特に市場をけん引しているのは、サブスクリプションサービスの中で先行して登場した動画配信や音楽配信サービスなどのデジタルコンテンツです。さらに、最近になって化粧品やアパレル、食品、家電、自動車などの物販系商材にもサブスクリプションサービスが広がりつつあります。

また、消費者の価値観の変化やコロナ禍によって、住宅やホテル、交通インフラ系のサブスクなど多彩なサービスも登場しています。

ライブコマース・インフルエンサーマーケティング

インフルエンサーマーケティングとはインフルエンサーが商品をプロモーションして販売につなげる手法です。インターネットやスマートフォンの普及とSNS利用の拡大に伴い、Instagramを中心にインフルエンサーマーケティングが定着しつつあります。

さらに、近年ではインフルエンサーがリアルタイムの動画配信によって購買を促すライブコマースも普及しています。

動画やライブコマースを用いたマーケティングを導入する動きは化粧品・アパレルを中心に増えており、今後も広まっていくと見られます。

企業がeコマース事業を展開する際は、決済インフラの整備とセキュリティ強化が欠かせません。ここでは、EC事業展開にあたって企業が対応するべき具体的な課題について解説します。

多様な決済手段への対応が急務

■インターネットで購入する際の決済方法(2020年)

出典:総務省『令和3年版 情報通信白書|インターネットの利用状況』

eコマース事業に参入する際は、決済インフラの整備が不可欠です。eコマースにおける決済では、クレジットカードやデビットカードを筆頭に、ID決済、後払いなどが増えてきており、コンビニ決済や代引きは減少傾向にあります。

QRコード決済と言えば、店頭においてスマホで読み取る方法をイメージしやすく、ECとの関連性は薄いと思われがちです。しかし最近では、QRコード決済のアカウントをECでも利用できるようなシステムも出てきています。アプリひとつで、実店舗でもECでも決済できれば、利用者は非常に便利に感じるでしょう。こうしたサービスを提供できれば、事業者としても大きな優位性となります。

オムニチャネルコマース市場が成長を続けるなか、LINE PayやPayPay、楽天ペイなど主要なQRコード決済サービスはオンライン決済への対応を拡大しているため、今後ECサイトでQRコードを利用したいというニーズが増えることが予想されます。

また、今後さらに拡大が予測される越境ECにおいては、各国で異なる決済手段に対応していく必要があるでしょう。特に、成長が続く中国市場の需要を取り込むためには、AlipayやWeChat Pay、銀聯カードなどへの対応は必須と言えます。

セキュリティの強化

eコマース事業ではセキュリティの強化も必須です。

ECや実店舗を含むクレジットカードの不正による被害額は増加傾向にあります。一般社団法人日本クレジット協会によれば、クレジットカード不正による被害額は、2014年は114.5億円、2015年は120.9億円、2016年は142.0億円、2017年は236.4億円と年々増加してきました。特に、2017年には番号盗用の被害額が176.7億円と急増し、2020年には223.6億円にも上っています。

事業者は、個人情報の漏えいやクレジットカードの不正利用を防ぐためにセキュリティ強化が欠かせない状況といえるでしょう。

EC事業者は、「クレジットカード取引におけるセキュリティ対策の強化に向けた実行計画」において、2018年3月末までに必要な対策を講じることが求められていました。それ以降も、後継文書である「クレジットカード・セキュリティガイドライン」に基づき、加盟店はカード情報の適切な管理や不正利用対策を実施しなければなりません。

■カード不正利用被害の発生状況(単位:億円)

出典:一般社団法人日本クレジット協会『クレジットカード不正利用被害の集計結果について』

国内のeコマース市場は拡大傾向ですが、中国、アメリカといった各国の状況と比べれば今後も伸びる余地があると言えます。今後、eコマースが当たり前になっていくなかでは、「ただネットで売ればいい」という考えでは取り残される可能性があるでしょう。

スマートフォンの普及、オムニチャネル化、越境EC、D2Cといったトレンドを意識しながら戦略を立てていく必要があります。また、顧客のニーズに合わせた多様な決済手段への対応や、セキュリティ強化も急務です。

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公開日 2020/04/23、最終更新日 2022/06/22

      
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